大阪【CHESS】10/23・24・25観劇メモ
大阪【CHESS】大千秋楽からもう2週間近く経ってしまった。公式サイトも今日で公開を終了してしまうらしい。そんな今頃になってなんだか今更な感じだけど、大阪の感想やっと書いたので自分の記録として残しておく。
大阪【CHESS】3日間4公演、もうどれがどれだかゴッチャになってしまっているのでまとめて書いちゃう。梅芸のメインホールはちょくちょく来てるけどドラマシティーの方は久しぶりな気がするな。
東京芸術劇場で観た3公演は2階席を含めた後方席ばかりだったけど大阪ドラマシティーでは4公演のうち3公演が前方席だった。なのでオペラグラス使わずに全体を観ることができて新たな発見があったりした。
もう終わってしまったけど再演があるかもしれないので一応畳んどく。
一幕
- 前方席で初めて気付いたのはハンガリー動乱の描写でハンガリーの国旗の真ん中が丸くくり抜かれていること。どうして?と思って後日調べてみてわかったんだけど、ソビエトに対する反抗の意味があるみたい。詳しくは長くなるのでハンガリーの国旗 - Wikipediaやハンガリー動乱 - Wikipediaを参照してください。
- 同じく冒頭の場面でフローレンスがチェシーに操られているような振り付けがチェスの駒のように利用されていることを象徴しているかのようだ。
- フレディーとフローレンスのキスは2回で定着かな?と思ってたら大楽は1回しかしなかった。(たぶん)
- メラーノを紹介する歌の時、客席から手拍子が起きるようになってた。さすがリピーター率高し。この歌の時、幸人チェシーがいろいろとコミカルな動きをしてるんだよね。木の後ろでかくれんぼみたくしてたりして可愛かった。
- 記者達とのイザコザ。フレディーに殴られた記者が去り際に「記事楽しみにしてろよ!」って言ってたり、フレディーが「ちゃんと書けよ」と挑発したりしてるんだね。東京じゃ遠かったせいか全然聞こえなかった。
- フレディーがチャンピオンの苦悩を吐露する場面、歌い終わってフローレンスの胸に顔を埋める場面が堪らない。フレディーにとってフローレンスだけが唯一の心の拠り所だったのに、この先あんな別れが待ってるなんて。。
- アナトリーとの対戦、フレディーが悪態ついて足を投げ出す時、本当はチェスの駒が散らばるのが理想形なんだろうけど、なかなか上手く吹っ飛ばないことが多かったな。チェス盤と駒はマグネットか何かで固定されてたのかしら?
- アナトリーが「いい加減にしろ!」と怒った後のフレディーの反応が色々だった。23日は後ろの監視員みたいな人に「おい、注意しろよ」って逆切れしてた。他の日はアナトリーの胸をポンポンと叩いて「落ち着けよ」と一言言って去って行くパターンが多かったかな。
- メラーノの山荘でアナトリーとフローレンスがいい感じになってる時、そんなこと知らないフレディーはギャラアップの交渉のメモを見ながらほくそ笑む。で、二人の浮気現場(だから違う!)を発見してしまう時のアッキーの芝居がめっちゃ好き!私は基本アッキーと同じでどエスなので男子が苦悩してるのを見るとめっちゃ萌えるのです。それが好きな男子ならば尚更なのです。(変態)
- フレディーとフローレンスが言い争う場面は東京の時に比べて迫力が増した印象。特に最後のアッキーフレディーの「浅ましいパラサイト」の歌い方がめっちゃカッコイイ!
- そして、“Pity The Child”。特に圧巻だったのはやはり大楽。凄かった!ボキャ貧な自分が情けないけど凄いっていう言葉しか出てこない。観客の拍手も凄くて毎回ショーストップ寸前。アッキーのファンでなくてもミュージカル好きな人なら【モーツァルト!】のアッキーを知ってる人は多いはずで、今回のアッキーのPity~を聴いてアッキーヴォルフを重ねた人が多かったんじゃないかと思う。アッキーのこういう歌をみんな待ち望んでいたんだ。それがあの拍手*1だったんだって私は勝手に思ってる。とにかく、こういう慟哭の歌を歌わせたら右に出る者はいない。いろいろ不満も多い今作だけどアッキーのこの歌が聴けただけで元は取れたって思える。ちなみにこの場面では幸人チェシーがフレディーの分身のように佇んでたり踊ったりしてて、どっち見ていいか困る。
- Pity~の後、あの切ないメロディーの中チェスの試合が続行される。二人がチェスを打とうとする後ろでウォルターとモロコフが手を伸ばしてるのも憎らしくも恐ろしい。私は完全にPity~を引きずってるもんだから、ここはもう泣けてきてしょうがなかった。
- 大使館の男二人が歌うユーモラスなあの歌。すごく面白くていつも聴き入ってしまう。一音ずつ交互に歌ったりしてて難しいはずなのに歌詞もすごくわかり易い。ここでアナトリーが「奥さんは一緒じゃないのか」とかって訊かれて「今は・・・、いや、今では・・・」と言い直すのがなんか優柔不断ぽくてモヤモヤする。
- 石井アナトリーの“Anthem”はそりゃあもう素晴らしかった。圧巻の歌唱力。ただ、歌は上手いなーと思うんだけどアッキーのPity~ほどの感動はないんだよね。(ごめんなさい!)できればアッキーでこの歌を聴きたい。
二幕
- “One Night In Bangkok”を歌う時、いつだったか忘れたけど間奏の時にめっちゃアレンジ加えてる時があってかっこ良かった。あと、サビの部分でちょっとした振り付けがあるんだけど、あれがカッコ良くてめっちゃ好き!腕をガッツポーズみたいに振り上げるやつと横向いて軽くステップ踏むみたいなやつね。アッキーのダンスもっと見た~い!
- アナトリーとフローレンスの会話が盗聴されていることを示す「あなたが負けることになってるならすぐにでも家に帰りましょう」という台詞が繰り返されるテープの音が実際に瞳子さんが喋るのとニュアンスが違ってていつも気になってしまう。
- モロコフとビーガンドなどが登場するソビエト陣営の場面。紙袋を破裂させるモロコフ、ある日は1回目失敗して2回目で成功させてガッツポーズ!客席から拍手。また別の日は2回とも失敗しちゃったこともあった。後ろの女性アンサンブルさんがいつもは「私もやる~!」なのに、この日は「私がやる~!」だった。(笑)モロコフが最後にもう一度チャレンジして今度は成功。客席からまたまた拍手。モロコフも満足そうだった。ひのあらたさんの意外にお茶目な部分を初めて見せてもらった。
- ウォルターにアナトリーへのインタビュー内容の変更を告げられた後、袖に走って掃けてく時のフレディーの表情が好き。本意じゃない*2んだと言いたげ。フレディーの複雑な想いが読み取れる。
- フレディーとアナトリーの対談。“The Interview”の歌で途中MJみたいな「ポウ!」入りました。(笑)
- そして、“Someone Else’s Story”。これはいつ聴いても切ない。アッキーの場合、歌い終わった後の息づかいまでもが歌の一部なんだよね。この時、歌う前にフレディーが脱いだ上着はこの後の場面でウォルターが回収してることに気付いた。
- この後フレディーは登場しなくなっちゃうし遠征疲れで集中できなくてあまり覚えてないので手短に。モロコフがスヴェトラーナにアナトリーに試合に負けるよう説得しろと持ちかける場面、後ろの段上でソビエト陣営の軍服のような衣装を着た女性アンサンブルさんがチェス人形を抱えている。やっぱり子供を奪われていたんじゃないかな?アナトリーを説得したら子供を返してやるとでも言われたんだろうか?
- 対戦の前、モロコフがビーガンドの耳元で何か囁くとビーガンドの顔色が変わる。何を言われたのか?よほどのプレッシャーをかけられたんだろうな。スヴェトラーナの件といい、目的のためなら手段を選ばないソビエトの恐ろしさ。
- 結局アナトリーが勝利してラストへと向かう。フローレンスとアナトリーが歌う“You And I”。かずさんと瞳子さんのハーモニーが美しい。この歌もほんとに難しそう。アッキーとのデュエットも聴きたかったなぁ。
- そして、“Anthem”リプライズ。「う~らぎり~の~た~びへと~~~」のアッキーの歌い出し。空気を切り裂くような高音に痺れる。一瞬で劇場を支配してしまうような圧倒的な歌声だ。ここからフレディーがチェシーの持つチェス盤の駒に手を伸ばしてスポットライトが当たるまでの一連のシーン、アッキーはず~っと後ろの段上にいるので私はそこしか見てません!(笑)だって~、最後の最後でようやく出てきてくれるんだもん。(泣)
- カテコについては個別の記事でアップしたので省略。
まとめ
- 私は海外版のDVDとか一切見てない*3ので、この日本版しか知らないし違いもわからない。この日本版しか知らないからこそ思うのだけど、日本独自の演出だからこそ日本人に馴染みの薄いCHESSという題材であってももう少し共感できる物語に仕上げてほしかったなぁ、と思う。
- あらためて、以前に紹介したABBAオフィシャルファンクラブ日本支部のサイトでミュージカル【CHESS】の解説を読んでみてわかったんだけど、日本版には“Talking Chess”のシーンがまるっと抜けてるんだよね。これがないからフレディーが自分勝手でただわがままなだけのお子ちゃまみたいに思えちゃう。フレディーだけでなくアナトリーにとってもけっこう大事なシーンだと思うのになんでカットしちゃったんだろう?謎だ!
- なんだかんだ文句言いつつも、【CHESS】の楽曲の魅力に引きずられて結局は楽しめたから結果オーライかな?できることなら全部の曲、アッキーで聴きたい!って思っちゃう。アッキー、ひとり【CHESS】やってくれないかな~?(笑)